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「壁の中の本棚」延床57㎡の狭小住宅@船堀 つづき

Date:2017年9月15日 | Category:

先週、1-2階部分をご紹介した、延床57㎡の狭小住宅@船堀。

本日は3階部分、子供たちのお部屋を見てまいりましょう。

 

3階図面

3階図面

 

図面の上下とも、勾配天井になっています。

手前側が東、奥が西。従って右が北になります。

北ということは、お隣様にとっては南側ということになります。

南側の正面に立つ建物は、北側斜線規制規制を受けるので、こうなります。

 

北側斜線

北側斜線

 

ですから、3階は2階の半分強ほどしかありません。

限られたスペースですから、子供たちの好きなものにあふれて暮らせるように、
あえて何も置かずにスッキリと完成させました。

ご覧いただきましょう。

 

子供部屋

子供部屋

 

二段ベッドや本棚など、 どうしても必要な、場所をとるものを共有することで、
空いている空間を確保しています。

 

壁の中の本棚

壁の中の本棚

 

タイトルでもご紹介した壁の中の本棚というのはこちら。

道路と反対側の勾配天井に沿って、デッドスペースを埋めるようにつくりました。

でも、本棚の奥行きはせいぜい2-30㎝程度。

その割に、埋まっている奥行きがデスクと椅子からすると、1mほどあるように見えますよね?

正解はこちら↓

 

開く

開く

 

下にキャスターが付いていて、引き出して活用できるようにしました。

「ん?でも、引き出した下部分の奥行きが浅いように見える。」なんて気づいた方は、
かなりするどい注意力を持っていらっしゃると思います。

 

出す

出す

 

そうなんです、引き出した本棚の下部分はこう配屋根の下部にあたり、奥行きが深くなるので、
もう一回引き出して、奥に本棚をつくったのです。

入れ子細工の箱のようでしょう?

箱の中からどんどん小さな箱が出てくるやつ。箱根の土産物の定番です。

なぜ箱根で入れ子が発達したかというと、もともとはお椀の入れ子から始まったそうで、
江戸時代、交通の要所だった箱根は、そのころから土産物づくりが盛んで、
飯椀、総菜椀、汁椀を入れ子にして持ち歩くのがとても便利だったそう。

諸説あるかもしれませんが、人間は必要に迫られると知恵が出ますねえ。

 

反対側

反対側 左側に抜き

 

右にバルコニーがギリギリ見えていますが、2階から上がってくる階段方向を見たところです。

スペースを優先し、造りつけ収納をつくらなかったので、収納BOXがたくさんありますね。

でも、お部屋の形状がやや複雑ですし、部屋の模様替えもたやすくできるので、
子供たちのお部屋としてはこれくらいでちょうどよいかな、と思っています。

お好みの対象もどんどん変わるでしょうから。

 

抜き

抜き

 

こちらは、1つ前の写真、左側に見えていた収納のさらに左側です。

光と風を取り込み、圧迫感をなくすために、抜きました。

こちらの抜きと、先ほどの壁の中の本棚は、図面でいうと、

 

赤字部分

赤字部分

 

デッドスペース部分に作ったものです。

なんせ、57㎡。使えるものは何でも使います。

 

閉まる

 

最後にこちら。

階段手前、向こう側は先ほどご紹介した、北側斜線の影響を受けた、屋根部分。

そのほんの少しの高さを生かして、壁面の収納をつくりました。

 

開く

開く

 

そんなに広くはありませんが、このスペースでもあふれかえる女子の小物を
しまっておくには大切な保管場所になるのです。

 

全開

全開

 

限られた面積で狭小住宅を建てるときには、壁の内部さえも有効に活用できる
イメージを持っていただけましたでしょうか?

 

必要であれば、使えるものは何でも使う、できることは何でもトライする。

 

注文住宅の醍醐味ですね。

 

 

 

 

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