お寺様の破風修繕工事
いつも大変お世話になっているお寺様から、修繕工事のご依頼をいただきました。
この画像ではわかりにくいので寄ってみると、
瓦の下、破風といわれる部分が欠けていて、一部錆びのようなものが見えます。
建物の構造は、鉄筋コンクリートで造られたもの。
一部、鉄筋を覆うコンクリートの被りが薄かったようです。
このままでは、鉄筋の錆が内部に侵入し、建物の寿命を縮めるし、欠けたコンクリート片が落下する危険もあるので、急ぎ、修繕を行います。
まずは、欠けが起きている部分をきれいに削り取ります。
さらに、むき出しになった鉄筋に、
さび止めの塗料を塗って、モルタルで埋めます。
虫歯の治療に似ていますね。
さて、この工事を行っている中で、ある異変に気付きました。
工事個所の破風の下、白い装飾。
こちらは、コンクリートの壁に貼り付けたもの。
破風の工事をしている際に、部分的に浮いている状態になっていることに気づきました。
この棒で叩いて、音を確認してみると、しっかり密着しているところは重低音が響きますが、浮いている部分は乾いた「カンカンッ」といった感じの音が鳴ります。
この装飾も足場を掛けたこのタイミングで補強することになりました。
まず、補強するための穴を空け、
エポキシ樹脂を投入し、
ピンを埋め込みます。
最後にモルタルで穴を埋め、
塗装で仕上げて完成。
お寺の本堂の破風や装飾物の一部が落下して、ケガをされる方などが出たら大変です。
転ばぬ先の杖。
事前に、対処し、危険が避けられ、何より良かったと思います。