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延床95㎡の狭小二世帯住宅

Date:2017年5月2日 | Category:

夫:『地価が高い!特に東京は。買える土地なんかないじゃないか!』

妻:『お義父さんに相談して、実家に二世帯住宅を建てられないかしら?』

夫:『猫の額ほどの土地に二世帯住宅なんか無理だよ』

妻:『でもご近所の山田さん、狭い土地に二世帯住宅を建てて、
うまくいっているそうよ。プランを工夫して、キッチンもお風呂もトイレも
全部別々にしたから気兼ねなく暮らせてるって。』

 

こういうご家族が増えています。

土地を購入しないで済めば、負担が全然違いますものね。

では、狭いご実家の土地に二世帯住宅を建てるとどのようなプランになるのか?

 

ちょうどぴったりの実例がありますのでご紹介しましょう。

『延床95㎡の二世帯住宅』。ご家族構成は、

親世帯ご夫婦+子世帯ご夫婦+子供3人=7人の大家族です。

一人当たり均等割りした時の広さは、約13.6㎡=約8帖。

 

『一人当たり8帖あるんなら結構広いね』

なんて考えは甘いです。

なんてったって、お風呂もトイレもキッチンも2つづつつくり、
さらに階段室まであるわけです。

階段のないマンションに、水回りを2つづつつくって、7人で暮らすと考えると、
窮屈さが伝わるかもしれません。

さて、参りましょう、95㎡の二世帯住宅。まずは1階親世帯キッチンから。

 

小さいキッチン

コンパクトなキッチン

 

コンパクトなんですけど、お二人で使うのであれば十分なのです。

生活がはじまれば、2階の子世帯で食事をされることも多かったりします。

二人であれば、本格的なお料理を毎日作るというよりは、

『ちょっと煮炊きができればよし』

といった感じになるんですね。

また、このような閉鎖的に見える感じにしたのも1フロアを有効に使いたいから。

オープンにして、1フロアドーンと使った方が広くなりますが、
食事も、居間も、客間も、寝室も同じとなると、具合が悪い。

キッチンだけでも、独立していれば、見た目の印象が全然変わるものです。

 

キッチンからリビングを望む

キッチンからリビングを望む

 

完全に独立させているわけではなく、壁で仕切っているといった方が正確ですね。

逆から見るとこんな感じ。

 

壁でキッチンを隠す

壁でキッチンを隠す

 

全く見えません。

食べかけのおかずも、汚れたお皿もまったく気になりませんでしょ?

このように仕切ることで、残りのスペースを別の空間として活用できます。

 

居間全景

居間全景

 

キッチンから見た居間の全景です。

正面に手すりが見えている右の引き戸が水回りの入り口です。

こちらが親世帯ご夫婦の暮らす空間になります。

 

旭化成ホームズが何年か前、子育てを終えた夫婦の家を商品化しました。

『つかず離れずちょうどよい距離のプラン』。

 

これを理想と考えるのであれば、ちょっと近いかも。

新婚さんの距離感かもしれません。

 

『しょうがないよ、そもそも1フロアの割り当てが30㎡ほどなんだから』

ねえ、しょうがないですよね。とあきらめてしまってはいけません。

では、どう解消するか?

 

階段下スペースを活用したクローゼット兼用の籠り部屋をつくりました。

 

階段下収納兼籠り部屋

階段下収納兼籠り部屋

 

うまく取れた写真がなかったのですが、左手前の引き戸を開けた奥です。

距離は縮まりませんが、仕切りがあるだけで全然違います。

この籠り部屋、ベッドを置ける広さがあります。

鼻づまりでいびきがうるさいときなんかも、ここで寝ればお互いいやな気持がしません。

限られたスペースを広くすることはできませんが、開放するところは開放し、
使い方をイメージしながらうまく仕切れば、断然暮らしやすくなります。

 

水回り

水回り

 

こちら手すりの奥のサニタリースペース。

洗面化粧台とトイレが並んでいます。

 

お風呂も中に

お風呂も中に

 

奥にはお風呂も設けました。

まとめる最大のメリットは場所を兼ねることができること。

このケースでは、トイレの出入り口とお風呂の足ふき場所を兼ねています。

3つの機能を1つにまとめることで狭く感じないし、
ホテルライクな雰囲気を味わえるのもミソですね。

また、年齢を重ねるうちに、どちらかが介助が必要になっても、
これだけ広ければ体を支えてあげられることができます。

将来、介護士さんのお世話になる時が来たとしても安心です。

 

さて、子世帯のリビングも見てみましょう。

 

2階子世帯のリビング

2階子世帯のリビング

 

こちらもキッチンは壁の裏手に隠しました。

家族が集まるリビングには、家族全員が居場所を確保できるように、
座れる場所をつくることを意識しています。

 

 

造り付け壁面カウンター&収納

造り付け壁面カウンター&収納

 

こちらのカウンターは、テレビやパソコン関連のモノを一堂に整理する場所。

詰めれば左側二人まで並んで座って作業できます。

 

小上がり和室

小上がり和室

 

こちらの小上がり和室も座ったり、ゴロリと横になったり、快適な空間です。

居場所も大切ですが、収納も大事です。

邪魔にならない上部の空間には吊棚収納を用意しています。

 

畳の下は収納

畳の下は全面収納

 

小上がり和室の下は当然のように全面収納です。

 

ぐるりとキッチンへ

ぐるりとキッチンへ

 

ママとおしゃべりしたいときには、小上がりに座って会話を楽しめます。

『ママ独り占め』スペース。行列ができたりして。

 

壁キッチン

壁キッチン

 

さすがに5人家族、時には7人分のお食事を用意するときもあるでしょう。

特別広いわけではありませんが、十分な広さのキッチンが付いています。

 

ぐるりとリビングへ

ぐるりとリビングへ

 

背面に一時置きスペースとなるカウンターもつくっています。

この2階が家族全員がくつろぐスペースです。

3階は家族の寝室があります。

そして、収納スペースとして欠かせないロフト。

 

ロフト

ロフト

 

こちらも収納スペース兼子供たちのヒミツ基地として用意しました。

子供たちにとっては、1階に『じいじとばあばの部屋』、2階にいつも家族が集うリビング、
3階に自分たちの部屋があって、その上にヒミツ基地がある。

 

行き場がいっぱいあるって、楽しいですよね。

この広さ=95㎡で実現しています。

 

子供部屋から梯子であがる

子供部屋から梯子であがる

 

これがヒミツ基地からの子供の目線。

『なぜ人は高いところに上がりたがるのだろうか?』

それは上からの眺めが気持ちがいいから。

狭小住宅は横に拡げられない分、縦の空間をいかに活用するかが大事です。

 

主寝室のウォークインクローゼット

主寝室のウォークインクローゼット

 

このウォークインクローゼットも縦の空間を意識しています。

右側のパイプには丈の長いコートやパンツを吊り、奥のパイプには短いシャツを、
左にはその中間のサイズまたは短めのものを置いて、下の台に衣類にかからない
高さのバックや小物を置く。

1つ1つ使用目的をもってイメージを膨らませれば、狭小二世帯住宅でも暮らしやすい家に
仕上げることができます。

 

限られた土地に二世帯住宅を検討していらっしゃる方、

きっとお役に立てると思います。

ぜひお声がけください。

 

 

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